テーマ:書籍

「ヒトラーのオリンピックに挑んだ若者たち ボートに託した夢」を読んで

 第二次世界大戦直前、ベルリンオリンピックのボート競技アメリカ代表エイトクルーの物語。  主人公は6番漕手ジョー・ランツ。ワシントン大学入学前の悲劇的な生い立ちから話が始まる。当時のアメリカは世界大恐慌が始まり、ウォール街の不況が西海岸にも押し寄せ始めていた。自由で豊かな国ではない時期。  主人公はまだ幼い時に母親と死別して、父親と…
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「未来記の番人」築山桂

 3年ぶりの築山桂の新刊。一気に読んだ。  時代設定は江戸時代の初期家光の治世。舞台は大阪四天王寺。未来記とは聖徳太子が残した預言書のことで、この書を巡って奪い合いの戦いが四天王寺を舞台にして繰り広げられる。その他、住友家、楠木正成、天海僧正、など歴史上の有名人が登場する。  異能者が主人公なので少しSFがかっていて読み始めは戸惑っ…
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「闇の狩人」池波正太郎

 最近スカーパーのTV-CMでこの作品があることを初めて知った。「鬼平」、「剣客」、「梅安」の面白さが盛り込まれた作品、とのふれこみで興味を持った。三作品のうち「梅安」以外は殆ど読んでいないけれど、TVでは何度も観ているので、それらと多少比べながら読んだ。  構成はしっかりしていて、無理が無いストーリー展開だと思う。記憶をなくした武士…
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「江戸の暗黒街」池波正太郎

 仕掛人藤枝梅安シリーズの原案のような作品の短編集。話の構成、展開はすばらしいし、設定に不自然さが無いけれど、きっちりとオチがある。  なかでも「だれも知らない」が一番面白い。ちょっとなさけない武士が主人公。 江戸の暗黒街 (角川文庫)角川書店 池波 正太郎 Amazonアソシエイト by
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東京の崖線を歩く 神田川沿い

 「東京人 2012年10月号 特集山の手100名山」(都市出版)をたまたま書店で見つけて、すぐに買った。そのなかで明治の元勲、宮家、華族、実業家の邸宅が崖線沿いにあった、と書かれていたので、散歩がてらに観に行くとこにした。  今回は神田川の北側の崖線に沿って歩いた。徳川義恕邸(新宿区中落合)、近衛邸(新宿区下落合)、細川邸(文京区目…
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「日本産狼の研究」(直良信夫)

 狼の専門書。骨、特に頭蓋骨の計測値の話が中心。まだDNA検査はまだ発明される前の時代なので、骨の大きさ、形状から日本の狼の特徴を論じている。サンプルは個人所有も含め日本各地で保管されていた骨、大半は頭蓋骨である。比較対称は大陸の狼、古墳時代の遺跡から発見された古代の狼、犬、など。  日本の狼が絶滅してからの研究だから、当然野生の生体…
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「絶滅した日本のオオカミ」(ブレッド・ウォーカー)

 ニホンオオカミとヤマイヌは異なるのか同じなのか。さらにニホンオオカミは大陸のオオカミの亜種か別種か。動物学だけではなく社会学の視点からの考察。  ニホンオオカミ、ヤマイヌ、エゾオオカミ、狼、豺、犬についての記述から始まる。ニホンオオカミとヤマイヌとは別の生物であったのかどうかを、剥製、毛皮、頭骨、伝承、などの状況証拠をあつめて、さぐ…
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ちゃらぽこ散歩会 品川道を歩く!①

 武蔵国府跡から狛江までかつて品川の海から塩を運んだ道を逆にたどった。江戸時代以前からの道なので、いろいろ変遷があり、どれかひとつが品川道ということではないらしい。  武蔵国府は今の大國魂神社。境内も広く、明るく賑わっている神社だ。  府中市、調布市、狛江市、でそれぞれ標識での街道の表記が異なる。府中では「品川街道」、調布では「旧品…
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「シャトゥーン ヒグマの森」(増田俊也)

 木村政彦や柔道を書いた著者の動物小説。しかし動物と仲良くする話ではなく、人間が羆に食われる話。かなり残酷な描写が繰り返しでてくる。それでも過剰に描いたわけではなく、猛獣なら当然のことであろうと思う。映像化するなら実写では無理、CGが限界だろう。しかもR指定。  年末に野鳥の観察用の小屋で数人が過ごすために集まったという設定だが、ちょ…
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「七帝柔道記」(増田俊也)

 「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」に続く大作。しかし前作と同じく一気に読めた。文章が巧いのか、テーマがよいのか、自分のつぼにハマったのか、とにかく通して飽きずに読み進むことができる。七帝戦にかける北海道大学柔道部の話。  もともと柔道をするために北大に入学したが、あまりの練習のつらさに、迷いながら柔道を続けて行く様が、これで…
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「モンゴル帝国が生んだ世界図」(宮紀子) (地図をながめただけ)

 タイトルに引かれて数年前に勢いで買った本。ほとんど読んでいなかったのだけれど、先日の夜に寝付けなかったので目を通した。いわゆる文系の専門書なので、素人が読破できる内容ではないと思うのだけれど、地図とその解説をはしょりながら読むだけでも結構面白い。最近日本の古地図にハマっているからだろうか。  下手に内容を引用するとどうせ間違えるので…
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「黒田如水」(吉川英治)

 吉川英治版の黒田如水。本能寺の変の前で終わっているので、若い頃の勘兵衛の話。竹中半兵衛の方が、より才覚に優れているように描かれているので、若さもあわせて、少し未熟に感じる。NHKの大河ドラマ「秀吉」では勘兵衛の方が半兵衛よりも軍師としてスケールが大きいように感じたので、印象が変わった。我ながら単純だ。  まだ隠居する前なので「如水」…
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「黒田官兵衛―秀吉も一目おいた天下人の器 」(浜野 卓也)

 先日黒田家江戸屋敷跡を観てきたので、黒田家の礎を築いた黒田官兵衛関連の本を読みたくなった。およその経歴は信長、秀吉の伝記などで知っているつもりだが、秀吉に仕える前、秀吉の死後、を知りたくて手に取った。  秀吉に出会う前、播磨で小寺家に仕えている頃は、あまりぱっとしない感じで、信長に仕える前の秀吉のようなものであろうか。秀吉が関白にな…
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「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る」大栗博司

 先日「ハイゼンベルグの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか」(石井茂)を読み、少し理系の解説書というか一般書を他にも読んでみようと言う気になっていた。タイミングよく本書が出版されたので、読んでみた。量子力学、相対性理論、超弦理論、ブラックホール、などを非常に分かりやすく、簡潔に、明快に書かれている。読んで得した!と思える本だ。  小生…
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「天文御用十一屋 烏剌奴斯の闇」 築山桂

 シリーズ第三作。又一気に読んだ。 蘭学者兼天文学者兼医者の宗介の出自に関わる物語。豪商にひろわれてきた宗介が、家から追い出されないように必死で 蘭学を 勉強した、とのくだりが気に留まった。小生もそれくらい必死に勉強していれば、、、、と思う。  作者のBLOGによると、豪商十一屋の商人としての正義と、十一屋の密偵として送り込まれてきた…
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徳川御三卿 古地図散歩

  前回江戸城巡りをしたとき御三卿の内の2つ清水家、田安家はそのぞれ名前のついた門を通ったけれど、一橋は素通りしたので今回は一橋家跡へ行ってみた。今でいうと丸紅本社ビルから気象庁のあたりまでの広大な敷地が屋敷跡。将軍を輩出しなかった、清水家、田安家は江戸城の名残をとどめる場所に残っているが、将軍を輩出したにもかかわらず一橋家は完全にその…
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江戸城探索 古地図散歩

 江戸時代のなごりを観に行ったので皇居というより江戸城。  東京駅丸の内側から出発して、和田倉濠、二重橋、桜田門、半蔵門、田安門、清水門、天守台、など、とりあえず有名どころを観て廻った。右回りに皇居を一周。一周してはじめて知ったのだが、桜田門から三宅坂までは上りが続く。もっと平坦だと思っていた。こういうことが体感できるのが実際に歩いて…
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「落語を聴かなくても人生は生きられる」(松本尚久編)

落語に関するエッセー、論評など雑多に集めた本。初めて読んだ落語関連の本。落語は観る、聴く、だけにしてきた。文章で論評や解説を読むと理詰めで理解しようとしてしまう気がしていたので、意図的に避けてきた。しかし、ネットでこの本を見つけてちょっと読んでみる気になった。  「上方落語・桂枝雀」(森卓也) の章は枝雀さんの小米時代からの話しもあり…
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「狂骨の夢」京極夏彦

「鉄鼠の檻」の1つ前の作品。密教、日本書紀、古事記の知識があればもっと楽しめるのかもしれないが、残念ながらほとんど知識がないこともあり、薄っぺらな読み方しかできていない気がする。ただし、謎解きとしては「鉄鼠の檻」よりも面白い。 文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)講談社 京極 夏彦 Amazonアソシエイト by
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「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」増田俊也

 700ページの大著であるが一気に読めた。  「わが柔道」(木村政彦)を読んだことがあるので、およその話しは知っていたが、高専柔道、武徳会の成り立ち、師匠牛島辰熊の経歴、岩釣兼生との師弟関係、などはほとんど初めて知る話しでもあり、特に興味深く読めた。  著者は完全に木村政彦サイドからこの本を書いたと自白しているけれど、それほど偏って…
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「梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安」池波正太郎 再読

 初の長編。小杉十五郎を仕掛人に誘い込んだことで、白子屋菊右衛門と梅安との対立が決定的になり始める。梅安を仕掛ける為にわざわざ白子屋が大坂から江戸まで出向いてくる。ただし、かの元締音羽の半右衛門は登場しない。白子屋との対決編まで温存しているのか。  隠居した元締萱野の亀右衛門が依頼した仕掛だが、仕掛ける相手が武家の奥方とあって準備が大…
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「梅安最合傘 仕掛人・藤枝梅安」池波正太郎 再読

 「梅安鰹飯」元締め同士の仕掛合い。「人間はよいことをしながら悪いことをし、悪いことをしながらよいことをしている。」作者の善悪二元論は、当たり前だが仕掛人だけではなく元締にも当てはまる。元締の場合、仕掛ける相手が生かしておけない悪人かどうかだけでなく縄張り争いが加わる。ただ殺す殺されるだけでなく陰謀の臭いがして面白い。  本の題名と同…
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「梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安」池波正太郎 再読

 「春雪仕掛針」、「 梅安蟻地獄」は渡辺謙主演のDVDを観ていたので情景を勝手に想像してしまう。 小杉十五郎、西村左内、も初出。梅安、彦次郎の関係もほぼ定まった感じがする。  かの元締音羽の半右衛門も初めて登場し、力の及ぶ範囲の広さを見せつけ、大物の元締であることが伺い知れる。白子屋菊右衛門と後日渡り合うことになるが、舞台設定の準備…
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「左近 浪華の事件帳 闇の射手」築山桂

 発売日当日に書店で購入した。最近本を買うことは、ほとんどなくなり専ら図書館で借りて読んでいるのだが、築山桂だけは別で新刊発売と同時に購入している。  「遠き祈り 左近 浪華の事件帳」に続くシリーズ2作目。前作よりも少し主人公の左近が成長している。左近が浪華に来る前の事件にさかのぼり、話しの背景に厚みが感じられる。抜け荷が絡んでいるの…
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「闇は知っている」、「殺しの掟」、「まんぞくまんぞく」 池波正太郎

「闇は知っている」  「秘密」、「夜明けの星」と比べると、あっさりしている。本人も知らない出生の秘密をもつ元僧侶である主人公の仕掛人としての半生を描いている。「仕掛け」という言葉は出てこない。 「殺しの掟」  仕掛人の原作に当たる短編集。直接は仕掛人と話がつながる訳ではないが、登場人物は重複しており設定もほぼ同じとなっている。…
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「夜明けの星」池波正太郎

 仕掛人が登場するが、藤枝梅安のように仕掛け中心の話ではなく、仕掛人にはずみで殺された被害者の娘の成長を描く話。終わり方も明るく、少しほっとする終わり方。  主人公の堀辰蔵が仕掛けを請け負おうときに、その背景を特に聴こうともせず淡々としている、それでいて仕掛けを行うことに少しためらいがあり、虚無感のようなものをもっているのがよい。全般…
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「秘密」池波正太郎

 池波正太郎晩年の昭和62年の作品。主人公はかつて武士であったが有る事件を契機に医者になりその過去に引きずられて生きている。この設定は「仕掛人・藤枝梅安」に通じるところがある。主人公が剣術を取得しているが必ずしも登場人物の中で一番強い訳ではないのが良い。あまり無敵では面白くない。  終わり方は、少しあっさりして、少し未練を残して、少し…
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「殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安」池波正太郎 再読

 築山桂の新作が少し先なので、それまでに「仕掛人・藤枝梅安」シリーズを再読することにした。前回は大阪に住んでいた頃に読んだので、江戸の地理もよくわからず、今ひとつ情景が分かっていなかったと思う。今回は東京に引越し、少しは江戸の地理も分かってきたので、昨年購入した「江戸切絵図」を参照しながら再読した。  前回読んだときの記憶が今ひとつ定…
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「江戸切絵図にひろがる 剣客商売 仕掛人藤枝梅安」

購入したのは一年以上前だが、それなりに読み始めたのは最近になってから。「仕掛人藤枝梅安」シリーズを読み返したり、築山桂の作品を読み返したりするときに、地図を参照しながら読むと地理がわかってより面白くなる。大阪が舞台ならば地図なしでも、およそ分かるのだが、江戸ではそうはいかない。  とにかく便利な一冊。 江戸切絵図にひろがる剣客商…
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「天文御用十一屋 星ぐるい」 築山桂

 大阪の質屋兼御公儀天文学者の話し。  主人公は星を観ることに憑かれている天文馬鹿である。京都や江戸の権威と過去にしがみつく天文方と異なりひたすら自分で星を観測して、暦を作ることに心血をそそぐ。近代科学者の姿に通じる。  主人公の師匠は、最新の天文の知識を得るために、ご禁制の蘭書を入手していたようで、ここから闇につながる話しが少しだ…
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