テーマ:小説

「シャトゥーン ヒグマの森」(増田俊也)

 木村政彦や柔道を書いた著者の動物小説。しかし動物と仲良くする話ではなく、人間が羆に食われる話。かなり残酷な描写が繰り返しでてくる。それでも過剰に描いたわけではなく、猛獣なら当然のことであろうと思う。映像化するなら実写では無理、CGが限界だろう。しかもR指定。  年末に野鳥の観察用の小屋で数人が過ごすために集まったという設定だが、ちょ…
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「七帝柔道記」(増田俊也)

 「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」に続く大作。しかし前作と同じく一気に読めた。文章が巧いのか、テーマがよいのか、自分のつぼにハマったのか、とにかく通して飽きずに読み進むことができる。七帝戦にかける北海道大学柔道部の話。  もともと柔道をするために北大に入学したが、あまりの練習のつらさに、迷いながら柔道を続けて行く様が、これで…
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「黒田如水」(吉川英治)

 吉川英治版の黒田如水。本能寺の変の前で終わっているので、若い頃の勘兵衛の話。竹中半兵衛の方が、より才覚に優れているように描かれているので、若さもあわせて、少し未熟に感じる。NHKの大河ドラマ「秀吉」では勘兵衛の方が半兵衛よりも軍師としてスケールが大きいように感じたので、印象が変わった。我ながら単純だ。  まだ隠居する前なので「如水」…
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「黒田官兵衛―秀吉も一目おいた天下人の器 」(浜野 卓也)

 先日黒田家江戸屋敷跡を観てきたので、黒田家の礎を築いた黒田官兵衛関連の本を読みたくなった。およその経歴は信長、秀吉の伝記などで知っているつもりだが、秀吉に仕える前、秀吉の死後、を知りたくて手に取った。  秀吉に出会う前、播磨で小寺家に仕えている頃は、あまりぱっとしない感じで、信長に仕える前の秀吉のようなものであろうか。秀吉が関白にな…
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「天文御用十一屋 烏剌奴斯の闇」 築山桂

 シリーズ第三作。又一気に読んだ。 蘭学者兼天文学者兼医者の宗介の出自に関わる物語。豪商にひろわれてきた宗介が、家から追い出されないように必死で 蘭学を 勉強した、とのくだりが気に留まった。小生もそれくらい必死に勉強していれば、、、、と思う。  作者のBLOGによると、豪商十一屋の商人としての正義と、十一屋の密偵として送り込まれてきた…
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深川探索 古地図散歩

 池波正太郎や築山桂の小説で頻繁に描かれる深川を探索しにいった。小説を読むとき、状景を思い浮かべるのに少しは役立つであろうと思って。  白河清澄駅で下車して、江東区深川江戸資料館に立ち寄った。一度落語を聴きにきた場所である。入館する前に向かいの店で深川めしを食べた。生まれて初めて。美味かった。  このあたりはほとんどが江戸時…
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「狂骨の夢」京極夏彦

「鉄鼠の檻」の1つ前の作品。密教、日本書紀、古事記の知識があればもっと楽しめるのかもしれないが、残念ながらほとんど知識がないこともあり、薄っぺらな読み方しかできていない気がする。ただし、謎解きとしては「鉄鼠の檻」よりも面白い。 文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)講談社 京極 夏彦 Amazonアソシエイト by
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「鉄鼠の檻」京極夏彦

 初めてまともに読んだ京極夏彦の著作である。禅寺が関わると知り、少し興味がわいたので読んでみた。禅の解説、悟り、禅宗の宗派と歴史、宗教と科学、等の話しは難しいのだが、文章が平易なので結構スラスラ読める。理解しているとは言いがたいが。  ただし、僧侶の名前は覚えにくいので、事件のアリバイ確認や、人間関係の説明は分からなくてもそのまま進ん…
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雉子神社 藤枝梅安宅 の続き

 藤枝梅安が当時どのように品川近辺を歩いていたのか知りたくなり、ちょっと暇ができたので五反田から品川まで歩いてみた。  出発は、五反田駅近くの雉子神社。そこから品川宿の顔役玉屋七兵衛の水茶屋、利田神社、音羽の半右衛門の配下である煮売り屋・久次郎、などがあったとされる北品川まで歩いた。国道317沿いに歩き、時間にして30分弱。 …
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雲霧仁左衛門」DVD 原作池波正太郎

 TVシリーズではなく映画板。主演は仲代達矢。本当は山崎努主演のTVシリーズを借りたかったのだが、見当たらなかったので映画板を借りてみた。  訳ありで盗賊になった元尾張藩藩士の侍雲霧仁左衛門の物語。親分子分の関わりを中心にして描き、「鬼平」シリーズに通ずる展開のしかた。  「人間はよいことをしながら悪いことをし、悪いことをしながらよ…
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小石川・音羽 音羽の半右衛門宅

 池波正太郎の小説「仕掛人・藤枝梅安」に登場する元締音羽の半右衛門が営む料理茶屋吉田屋があったとされる場所へ落語会の帰りに立ち寄った。現在の音羽1丁目で今宮神社近くにあったとされる。今はビルが建ち並んでいるが、音羽通りから一筋東側の狭い通り沿いには石垣がつらなり、これだけが江戸時代の風情を感じさせる。当時からのものかどうかは分からないの…
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雉子神社に参詣 藤枝梅安宅

 池波正太郎の小説「仕掛人・藤枝梅安」の主人公鍼医者・藤枝梅安の診療所兼自宅があったところとされるのが、雉子神社(雉子の宮)の南西のあたりである。近くへ出かける用事があったので、ついでに神社に寄ってみた。JR五反田駅から桜田通りを日本橋方向へ向ったところにある。神社と言ってもビルに囲まれて、ビルのピロティーに社があるという少し変わってい…
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「梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安」池波正太郎 再読

 初の長編。小杉十五郎を仕掛人に誘い込んだことで、白子屋菊右衛門と梅安との対立が決定的になり始める。梅安を仕掛ける為にわざわざ白子屋が大坂から江戸まで出向いてくる。ただし、かの元締音羽の半右衛門は登場しない。白子屋との対決編まで温存しているのか。  隠居した元締萱野の亀右衛門が依頼した仕掛だが、仕掛ける相手が武家の奥方とあって準備が大…
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「梅安最合傘 仕掛人・藤枝梅安」池波正太郎 再読

 「梅安鰹飯」元締め同士の仕掛合い。「人間はよいことをしながら悪いことをし、悪いことをしながらよいことをしている。」作者の善悪二元論は、当たり前だが仕掛人だけではなく元締にも当てはまる。元締の場合、仕掛ける相手が生かしておけない悪人かどうかだけでなく縄張り争いが加わる。ただ殺す殺されるだけでなく陰謀の臭いがして面白い。  本の題名と同…
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「梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安」池波正太郎 再読

 「春雪仕掛針」、「 梅安蟻地獄」は渡辺謙主演のDVDを観ていたので情景を勝手に想像してしまう。 小杉十五郎、西村左内、も初出。梅安、彦次郎の関係もほぼ定まった感じがする。  かの元締音羽の半右衛門も初めて登場し、力の及ぶ範囲の広さを見せつけ、大物の元締であることが伺い知れる。白子屋菊右衛門と後日渡り合うことになるが、舞台設定の準備…
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「左近 浪華の事件帳 闇の射手」築山桂

 発売日当日に書店で購入した。最近本を買うことは、ほとんどなくなり専ら図書館で借りて読んでいるのだが、築山桂だけは別で新刊発売と同時に購入している。  「遠き祈り 左近 浪華の事件帳」に続くシリーズ2作目。前作よりも少し主人公の左近が成長している。左近が浪華に来る前の事件にさかのぼり、話しの背景に厚みが感じられる。抜け荷が絡んでいるの…
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「闇は知っている」、「殺しの掟」、「まんぞくまんぞく」 池波正太郎

「闇は知っている」  「秘密」、「夜明けの星」と比べると、あっさりしている。本人も知らない出生の秘密をもつ元僧侶である主人公の仕掛人としての半生を描いている。「仕掛け」という言葉は出てこない。 「殺しの掟」  仕掛人の原作に当たる短編集。直接は仕掛人と話がつながる訳ではないが、登場人物は重複しており設定もほぼ同じとなっている。…
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「夜明けの星」池波正太郎

 仕掛人が登場するが、藤枝梅安のように仕掛け中心の話ではなく、仕掛人にはずみで殺された被害者の娘の成長を描く話。終わり方も明るく、少しほっとする終わり方。  主人公の堀辰蔵が仕掛けを請け負おうときに、その背景を特に聴こうともせず淡々としている、それでいて仕掛けを行うことに少しためらいがあり、虚無感のようなものをもっているのがよい。全般…
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「秘密」池波正太郎

 池波正太郎晩年の昭和62年の作品。主人公はかつて武士であったが有る事件を契機に医者になりその過去に引きずられて生きている。この設定は「仕掛人・藤枝梅安」に通じるところがある。主人公が剣術を取得しているが必ずしも登場人物の中で一番強い訳ではないのが良い。あまり無敵では面白くない。  終わり方は、少しあっさりして、少し未練を残して、少し…
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「殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安」池波正太郎 再読

 築山桂の新作が少し先なので、それまでに「仕掛人・藤枝梅安」シリーズを再読することにした。前回は大阪に住んでいた頃に読んだので、江戸の地理もよくわからず、今ひとつ情景が分かっていなかったと思う。今回は東京に引越し、少しは江戸の地理も分かってきたので、昨年購入した「江戸切絵図」を参照しながら再読した。  前回読んだときの記憶が今ひとつ定…
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「江戸切絵図にひろがる 剣客商売 仕掛人藤枝梅安」

購入したのは一年以上前だが、それなりに読み始めたのは最近になってから。「仕掛人藤枝梅安」シリーズを読み返したり、築山桂の作品を読み返したりするときに、地図を参照しながら読むと地理がわかってより面白くなる。大阪が舞台ならば地図なしでも、およそ分かるのだが、江戸ではそうはいかない。  とにかく便利な一冊。 江戸切絵図にひろがる剣客商…
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「天文御用十一屋 花の形見」 築山桂

 シリーズ第二作。 今回は全体のスケールが小さい気がする。長崎の抜け荷が絡んではいるが、特に大物の役人の不正が絡むわけではなく、幕閣が登場することも無い。それでも実在の学者山片蟠桃が登場したり、イギリス製の天文用品が登場したりと、目新しい点があり面白い。  他の作品とは異なり、どの登場人物にもとりたてて肩入れすることは無いが、蘭学者兼…
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「神の拳」、「アフガンの男」フレデリック・フォーサイス

1年以上前に読んだ。フォーザサイスの著作はすべて大部なのでまとまった時間が取れそうなときしか読む気がしない。前々から読もうと思っておいておいた。 アフガンの男(上)楽天ブックス 角川文庫 フレデリック・フォーサイス 篠原慎 角川書店 角川グループパブリッ発行年月:2010年07 楽天市場 by アフガンの男(下…
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「アヴェンジャー」、「イコン」フレデリック・フォーサイス

久しぶりに小説を読んだ。初めてフォーサイスを読んだのは30年近く前で、そのころは、世界地図を横において、一々地名を確認しながら読んでいた。しかし近頃は面倒くさくなって、よく分からない地名でも気にせずに読み飛ばしている。その方が一気に読めて面白い。 アヴェンジャー(上)楽天ブックス 角川文庫 フレデリック・フォーサイス 篠原慎 角川…
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「浪華の翔風」築山桂  再読

 3年ほど前に単行本を図書館で借りて読んだことがあるのだが、今回文庫本化されたので改めて購入して読んだ。結構ストーリーを忘れていたので、新鮮な気持ちで読めた。  左近ら「在天別流」は脇役で、大坂城の御城影役である、 女剣士あや、が主人公。女剣士は作者が好きな人物設定らしいので、これからも形を変えて登場するだろう。 浪華の翔風(か…
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「遠き祈り 左近 浪華の事件帳」築山桂

 久しぶりの築山作品。「 緒方洪庵浪華の事件帳」シリーズにつながる「在天別流」主体の話し。「 緒方洪庵浪華の事件帳」では左近は武術にも探索術にも長けた女剣士として描かれているが、ここではまだまだ、半人前扱い。  左近の成長物語としてあと2~3冊はこのシリーズが続いて欲しい。それと本作では隠れキリシタンがらみの話しだが、あまり異国の話し…
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「姑獲鳥の夏」DVD

 初めて京極夏彦の映画を見た。事前に小説を読んでいたのだが、あまりにも内容が濃くて半分ほど読んだところでほったらかしにしていた、夏休みを費やしても読み切れなかった。  そこでDVDを観ることにした。ストーリーは少し分かりにくいけれど面白い。単純な推理小説ではなく、怪奇現象ものでもなく、普通のストーリーに、推理と怪奇の味付けをした感じで…
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「天文御用十一屋 星ぐるい」 築山桂

 大阪の質屋兼御公儀天文学者の話し。  主人公は星を観ることに憑かれている天文馬鹿である。京都や江戸の権威と過去にしがみつく天文方と異なりひたすら自分で星を観測して、暦を作ることに心血をそそぐ。近代科学者の姿に通じる。  主人公の師匠は、最新の天文の知識を得るために、ご禁制の蘭書を入手していたようで、ここから闇につながる話しが少しだ…
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「東天の獅子 天の巻」夢枕獏

 夢枕獏による講道館柔道創世記の話。嘉納流柔術とも呼ばれた柔道を嘉納治五郎が造り上げていく過程を描いている。流れるように読み進めることができる。どこまで史実に忠実なのかよくわからないが、試合の攻防も事細かに記述されている。  初期の柔道は、今よりももっとグレイシー柔術に近かった、と聴いたことがあったのでそのころの話を知りたいと思ってい…
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「浪華疾風伝 あかね 弐 夢のあと」築山桂

 新シリーズの第弐編。楽しみにしていた続刊なので急いで購入してすぐに読んだ。話の中心に太閤殿下の血を引く茜をおいているが、その設定が弱い気がして少し興味がそがれる。しかし小生は新興の商人鴻池が大きくなっていくきっかけの話しの部分が一番印象に残った。新興の商人鴻池と石山本願寺時代のころからの商人との確執は現在のIT企業と旧来の企業との確執…
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