「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る」大栗博司

 先日「ハイゼンベルグの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか」(石井茂)を読み、少し理系の解説書というか一般書を他にも読んでみようと言う気になっていた。タイミングよく本書が出版されたので、読んでみた。量子力学、相対性理論、超弦理論、ブラックホール、などを非常に分かりやすく、簡潔に、明快に書かれている。読んで得した!と思える本だ。
 小生は、物理を少しかじったことがあり、量子力学は多少の知識があり、特殊相対性理論もローレンツ変換ぐらいは式をフォローした気がするし、生成消滅演算子も使ったことがあるのだが、その意味を理解しているとはとても言えないレベルであった。だから本書のように基本的なことから変なごまかしもなく(様に思える)解説してくれるのは、昔勉強したことのおさらいが少しはできた気がする。また、それに加えて、一般相対性理論や、世界が10次元でできていること、ホーキングのブラックホールの理論、など言葉くらいしか知らなかったことにも、極めてわずかだけれど、理解する為のとっかかりができた気がする。
 以前に物性物理の先生が、「物理と言えば、素粒子、というイメージがある。」と多少悔しそうに言っておられたが、本書を読むと、やはり仕方がない気がしてくる。
 著者が理化学研究所で昨年行われた講演が YouTube で公開され、これを読み始めると同時に観てみた。この講演内容を書き起こしたのが本書のようだ。講演後の質疑応答でも、非常に明快に、歯切れよく話されておられた。だから素人むけの本も書けるのだろう。
 p251にある、「しかし、物理学では、話を広げることで、全体像の見通しがよくなって、問題が一挙に解決することがよくあります。」(「」は小生が追加)と似たようなことは、高校生の頃に読んだ数学者広中平祐の本にも出てきた気がする。とり組んでいる問題をそのまま解くことが難しいので、色々条件をつけて、ある条件の元での解を先ず求めようとしていたら、岡潔に「その方法では解けない。問題は難しくして解くものだ。」(言い回しは不正確です)という意味のことを言われたと。自分はこんなことを経験した覚えがないが。
 研究者というのはすごいな、と今更ながら思う。
 つい先日出版された同じ著者による「強い力と弱い力」も読むことにする。



ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか
日経BP社
石井 茂

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